しろのブログ

しろです。読んだ本の感想や日々思ったことをそのまま口語とかでゆるくやっていきたいと思います。レビューの文体は読んだ本の文体に引きずられがち

読書レビュー 『マネジメント[エッセンシャル版]基本と原則』 P.F.ドラッガー

かつてのベストセラー『もしドラ』でもおなじみの本書。

 

こちらの本も非常に有名で、また売れたビジネス本ということで、読んでみたのでレビューをしていこうと思います。

 

 

0 はじめに

 

以下、ネタバレ…はもしかしたら含んでいるかもしれないので注意!(たぶんほとんど含んでない)

 

 

 

 

Ⅰ レビュー

 

まず、読み始めてすぐに思ったことが、「読みにくい」ということと、「よく分からん」ということ。

 

内容(もそうだが出てくる言葉の定義)が非常に抽象的であり、かつ言い回しが硬く、分かりにくい。

 

具体的には、初っ端から「マネジメント 」という単語が連発されるものの、これが具体的に何を意味してるのかが全く触れられない(最後の方でやっと少しそれっぽいのが出てくる)

 

一応マネジメントとは、みたいなことでちょっと書かれているがそれも、(以下本書から抜粋)

 

「まず、マネジメント とは、すでに確立された事業の管理的な活動を意味していた」(本書4ページ目より)

 

というような風で、全くもって判然としない。

 

まず読み手としては、「すでに確立された事業の管理的な活動」って何よ?って感じだ

 

「すでに確立された事業の管理的な活動」と言われ、すぐに具体的にイメージが出来る人がこの世にどれだけいるのか…

 

また、なんとなく言葉からイメージして分かるだろうと言われそうだが、であれば読み手にイメージする物の差がある程度大きくなる気がする

 

「この言葉が何を意味するかは、それぞれの読み手にお任せします」みたいな、本書の(ほぼ)全ページから溢れる雰囲気に対しては、小説なら全く問題ないが一応ビジネス書だし…と、思わず眉をひそめてしまう

 

 

Ⅱ レビューそのに

 

これは本書を読み終える直前になってから気づいたことなのだが、この本は2001年のものではない。

 

自分が手にして読んだもの自体は、2001年12月13日に初版が発行され、自分自身もその当時、つまりおよそ20年前に書かれた本だと勝手に思い込んでいたが、実はこの『マネジメント』の原本は、1973年にアメリカで発行されたものだったのだ

 

つまり今現在、2018年から数えると、45年も前の本ということになる。

 

本を読んでいる途中(というかほぼ終わりの方)にそのことに気づき、やっといくつかの点が腑に落ちた。

 

ビジネス書であるものの、書かれている企業やビジネス史とでもいうものが、非常に古い時代のこと(1970年代のこと(当時としては最近のこと)も一部触れられるが、多くは20世紀初頭から第二次世界大戦後十数年まで)であったからだ

 

つまり今から考えると、50年から100年前、あるいはそれ以上前の事を中心に語られ、そのことから「現代の」ビジネスに生かそうとしている、ということになる

 

そのことにようやく思い至った時は、「それは違和感があって当たり前だわな」ということだ

 

そもそも、(当然といえば当然だが)今現在世界で多大な影響力を与えたいるIT関連の企業について一切触れられておらず、主に取り扱われる事例の対象は、自動車メーカーであったり、銀行であったり、病院や研究施設といったものばかり

 

この本の原本が出版された頃が、日本がちょうど高度経済成長期だったことを考えると、この本がいかにClassicであるかを実感せずにはいられない

 

確かに、この本が日本で出版された2001年では、この本の持つ価値がそれなりにあったかもしれない(個人的には内容が全体的に抽象的すぎて、当時でもビジネス書というよりは自己啓発書に近いのではと思ってしまうが)

 

それは、純粋に21世紀に突入したばかりの2001年では、この本にも書かれているような、20世紀型の組織、経営などが当然に受け継がれており、1974年から、大きな変化がなかったためだろう

 

しかし、2018年の現在は違う。世界に影響力を与える企業は、googleamazonをはじめ、多くがITに関わる企業だ

 

また、今後もそのITを中心として、ビジネスの世界や、自分たちの生活はしばらく変わっていきそうだ

 

そういった中で、現在最も影響力があり、また今後もその影響力を行使し続けるであろうIT業界を除き、またITに関する技術を一切用いない時代の経営(つまり全てが紙ベース)の話を永遠とされ、「さあ、これを現在、またはこれからの経営に活かしてね」と言われても、「いや〜…」としかならない

 

 

Ⅲ レビューそのさん

 

ここ数年、世界は大きく変動しているように思う。(実際がどうなるかはさておき)AIが仕事を奪う〜とか言われたりしているし、イーロンマスクの仕事ぶりやビジョンを見聴きしていると、本当にたった10年前には考えもしなかった未来が、ほんの目と鼻の先にある気がする

 

僕個人としては、それがすごく楽しみである

 

で、なんでこんなことを書くかというと、この本を読むことによって、そのことを(ITを中心とした(ITから始まる)近年の大きな変化)を強く実感したからだ

 

この本が出版された17年前、あるいはこの本の原本がアメリカで出版された45年前とは、全く違う世界に、今の自分たちがいるのだと思い知らされる

 

現代のビジネス書というよりは、「かつてこういう風に上層部は、組織を管理、経営していた」という、20世紀の(ただし1970年頃までの)組織の経営・管理の歴史をぼや〜〜〜〜〜〜〜、っと知るのには、有益な本かもしれない

(ぼや〜を伸ばしたのは、本当に内容が抽象的で、(抽象的なものに対して抽象的に説明する、みたいな)内容が頭に入ってこないため(自分だけかもしれないが))

 

つまり、あらゆる面で、Classicな本、と言えるだろう

 

 

Ⅳ おわりに

 

いかがだっだろう

 

個人的には読みはじめて十数ページ程で、読むのをやめようと思ったが、なんとか気合いで読み終えた今、何とな〜〜〜〜く得るものはあったのではないか、と思っている

 

「本なんて読み終えた時に、1つでも得るものがあったと思えれば充分」だという言葉をどこがで聞いた気がするので、まあ結果的には良かったと思う

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

 

ではまた〜!