しろのブログ

しろです。読んだ本の感想や日々思ったことをそのまま口語とかでゆるくやっていきたいと思います。レビューの文体は読んだ本の文体に引きずられがち

読書レビュー 『森博嗣の半熟セミナ 博士、質問があります!』 森博嗣

0 はじめに

 

以下、ネタバレ含みます!(※注意)

(といいつつ今回は殆ど含みません)

 

 

 

 

Ⅰ どんな本?

 

すべてがFになる』や、『スカイクロラ』シリーズで有名な森博嗣氏による、科学エッセイ集。

 

日経パソコン』という雑誌に、2年半掲載された同氏のエッセイ(コラム?)が纏められ、本になったもの。

 

 

Ⅱ レビュー(?)

 

森博嗣氏の本であるものの、小説ではないのが特徴。

 

会話形式の文章に、4ページ(見開き2ページ)に1つのテーマについて語られるため、テンポ良く読める。

 

本自体の大きさは小さく(文庫本サイズ)、それに対して文字は大きいため、必然的に情報量は少なくなるものの、その分難しいことは書かれていない。

 

そのため、小学生や中学生、あるいは自分のような理系ではない人にとって、理系の世界を覗く(身の回りのこれはこういった技術(仕組み)で動いていたんだ〜、みたいな)のに良い本になっていると思う。

 

また、このエッセイをきっかけにお知り合いになられ、結婚された、奥さんであるささきすばる氏のイラストがそれぞれのコラムごとに入っているので、分かりやすく、また本全体に独特のゆるさを与えている(気がする)

 

 

Ⅲ レビュー

 

本書の「まえがき」で森氏が言われてることが、この本について端的に、かつ的確に表していると思う。ので、ここでご紹介します

 

以下、「まえがき」より

 

「お断りしておきたいのは、これは専門書ではない、ということです。自分の専門分野の内容も、またそうでないものも、噛み砕きすぎるほど噛み砕き、面白可笑しく記述されているので、厳密にいえば間違いがあったり、本当はそうではない、という部分があります。(中略)

この本は、そういった目的には使わず、科学や工学の雰囲気を楽しんでもらえれば良いかな、と思います」

 

う〜ん、まっことその通りじゃなぁ〜、ってかんじですね

 

また、続きでこのようにも語られています。

 

「科学にかぎりませんが、なにごとも道理を知ることは面白いものです。1つの道理を知ったとき、いろいろなものに対してそれを応用、一見関係がないと思っていたものが、実は同じ仕組みだったり、同じ法則に従っている、というように、ものごとを広く関連づけて見る目を持つことが一番大切だと思います。だから、この本を読むときも、眠くなるまえに、ときどき気を散らして、あれこれ考えましょう。あれは、どうかな?もしかして、あれもそうだろうか?と……。」

 

こういった「道理を知る」ということの大切さ、というのは、理系ではない自分のような人にこそ、普段意識しない分、より重要なことのように思います。

 

 

Ⅳ レビュー…?

 

理系が世界の普遍的な仕組みを解き明かそうとするのに対し、文系の取り扱うテーマの中心はあくまでも「人」がメインだと僕は思っています

 

人の文化であったり、歴史であったり。政治や宗教も人がいないとはじまりませんし、芸術も多くは人が造り上げたり、手を加えたりしたものです

 

そこでは普遍的なものというのはありません。文化に基づいた価値観などは時代や地域によって大きく異なります。善悪の定義なども非常に曖昧で、常にあらゆることが01で分けられず、ただグレーゾーンの中で、その濃淡が濃くなったり薄くなったりを繰り返している

 

なので、その常に変わりゆく、人を取り巻くあらゆるテーマについて取り扱うのが、文系だと思います

 

まあ昨今では理系、文系と2つに分けて考えるのはおかしいと言われたり、最近ではツイッターなどで、「そもそも理系ではない人たちをまとめて文系といってるけど、そもそもその多くは本当に「文系」といえるだけの何かしらのテーマについて深い知識や考察をもっているのか?」とかつっこまれていますが…

僕個人としては、例えばテレビでやってる芸能関係の報道ばかり見て、そればかりに詳しい(?)人も、現代の日本の芸能史の一端に触れているという意味では、文系だといっていいと思いますが…と考えていたところで、文系とか理系とか意味ないな、と思いました

 

文系の定義とか、理系の定義とか、文系とは!とか、理系とは!とか、文系はこうあるべし!とか、理系はこうあるべし!とか、よくよく考えたら全く意味ないし、むしろそういう理系とか文系とかいう言葉自体がなくなって、そういった分け方で考えるのが当たり前、みたいなのがなくなっていけばいいなぁと思いました。(何十年後に、昔は理系、文系っていう考えかたがあったんだよ〜みたいな)

 

理系だからといって、芸術や社会や法律と無関係でいられるわけもないし、文系でも身の回りのものは機械やインターネットに囲まれて生活している

 

仕事や学問で取り扱うメインテーマは理系だとしても、デザインや法律、民俗学や政治や経営に興味があるかもしれないし、逆に文系だと言われるものを仕事や学問をメインといていても、航空力学や、宇宙物理学、コンピュータサイエンス、生物学、医学などに興味があるかもしれない

 

今でも建築とかであれば、所謂理系の計算、設計能力などと、文系のデザイン力など、両方の分野のスキルが必要となるだろうし

 

そもそも数学だって、かつてのヨーロッパでは宇宙と音楽とワンセットみたいな扱いだったのに、今じゃ数学と音楽はその時ほど距離は近くないように感じるし…(理学部だった(orである)みたいな人は何かしらの楽器が弾ける人は多いイメージはあるけど)

 

 

Ⅴ おわりに

 

後半全然本のレビューになってない気もするけど、これで終わりです!

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

ではキリのよくないところで、また次回〜!